どんなゲーム?
2020年発売(日本語版は2022年)の『ビヨンド・ザ・サン』のリメイクとして発表されたボードゲーム。メインとなるテックツリーのシステムはそのままに、宇宙から文明開花へとテーマを変更しています。

リメイク元の『ビヨンド・ザ・サン』はBGGでも評価が高いので気になっていたのですが、タイミングを逃して未プレイ。ぜひ遊んでみたかったので楽しみ。
人数 | 2〜4人 |
時間 | 120分 |
年齢 | 13歳以上 |
デザイナー | Adam Hill, Matt Riddle, Ben Pinchback, Dennis K. Chan |
出版年 | 2024年 (日本語版は2025年) |
国 | イタリア |
概要
プレイの流れとしては基本的にワーカープレイスメント。
ワーカーで選択したアクションでできることは、主に「テクノロジーエリア(テックツリー)の調査」「土地タイルの探索・開発」「資源の獲得」の3パターン。

最初はメインボードの左下の4つの基本アクションしか使えません。
テクノロジーエリアを調査すると、資源のひとつである人口コマを派遣することと引き換えに、即時ボーナスや新しいアクションスペースの使用権が得られます。
下位レベルの調査ができていると次は上位のエリアを調査できるようになり、少しずつ強力なアクションスペースを使えるようになっていきます。


人口コマは入植者としても派遣することができ、移動することで土地タイルのエリアを広げていくことができます。
新たに追加された土地タイルにコマを集めることで、入植・要塞化・建設が可能に。資源や得点を得ることができます。

土地タイルに応じてもらえるボーナスが強力。
また、上記のアクションを実行していくと、ボーナスとして個人ボードのトラックが解放されていきます。
解放するトラックに応じて、収入を強化したり、個人能力を強化したりできるので、上手く必要なトラックを解放していけるアクション選択も大事。

そしてランダムに選ばれた3枚の目標カードのうち、全プレイヤー合計で4回(2人プレイの場合は3回)達成されたら、手番数を揃えた後に+1周してゲーム終了となります。

夫婦2人の遊んでみた感想
いぺの場合

初回プレイでも「個人能力を活用しながら目標カードの達成を目指す」というプレイ指針ができるのがありがたかった。
プレイ後も「もっと点数集めながらプレイできたなー」とか「もっと早く目標達成できそうだなー」というようなリプレイ欲が掻き立てられて楽しい!
2回目のプレイをしてみるとちゃんと点数が伸びたし、他のセットアップ・能力でも遊んでみたくなりますね。
おすすめポイント
戦略を考える楽しさ
「個人能力の強化」「目標カードの達成」「テックツリーの最終地点への到達」の3箇所が主に最終得点に絡んでおり、毎回ランダムで設定されますが、全てゲーム開始時に見えています。
そのためプレイの指針は立てやすい作りになっているところに優しさを感じます。ランダムなボーナスや追加アクションを活用しながら戦略を修正していくのも楽しいですね。
ストレスにならないインタラクション
基本的なアクションスペースは人数分用意されていたり、後述のテックツリーが広がっていくとアクションスペースも増えていくので、スペースの取り合いになることはあまり多くありません。
個人能力があることでプレイ方針もばらけやすく、良くも悪くもインタラクションは控えめ。
上位テックツリーや目標カードに先着したときのボーナスなどはインタラクションを生みはするものの、「取れたら嬉しい」くらいのものなのでそこまで熾烈な争いにはなりません。
常に他のプレイヤーと遊んでいることは感じられるけど、自分の立てた方針を大きく邪魔をされるほどではないので遊びやすいです。
とはいえ終了トリガーがいつ引かれるかは相手の動向の確認が不可欠。目標3種の全達成を目指して自分の力で終わらせにいくのか、相手の動向を見つつ2種達成+点数行動にするのか、全員が慣れてくるとそんなインタラクションが生まれてきます。
人数に関係なく楽しい
夫婦2人プレイを基準に考える私たちにとって重要なポイント。
そこまでインタラクションが強いゲームではないので、2人で遊んでいてもゲームの楽しさは十分に味わえました。
ただ、テックツリーの開発や土地タイルの増え方がダイナミックになるので、人数が多いとゲーム中の選択肢が広がっていくのは楽しいポイントですね。
3人プレイのときはテックツリーが全て開かれて終わったこともあり、3人プレイがインタラクションやプレイ時間等のバランスは良さそう。
気になるポイント
個人能力の差
数回遊んだだけではありますが、個人能力の使いやすさに差を感じます。むしろ数回遊んだだけ、くらいのときの方が能力を使いこなせずに、他プレイヤーとの能力差を強く感じそう。
ただ、そこはしっかりテストプレイされているはずなので…
「この能力を活かしきってみせる…!」というような楽しみ方ができるのも、個人能力があるゲームの醍醐味ということで…
えりの場合

一度わかってしまえば意外とシンプル。
それぞれがとる戦略は変わるけど、メインボード上でプレイヤーのアクションが絡み合うからソロ感も少ないのもよかった。
個人能力があってリプレイ性もあるから結構楽しんで遊べた!
テーマが渋くてボードゲームの世界観に没入できなかったのが残念…
このゲームが比較的シンプルに感じるまでに訓練されてますね。ルールブックの「遊び方」の章は6ページとそこまで複雑すぎはしないものの、十分重ゲーの領域のゲームです。
ただ、ざっくりとではありますが、リソースは「人口コマ」と「コイン」の2種類、アクションも「テックツリー関連」と「土地タイル関連」の2種類なので、一度ルールを理解してしまえばたしかにシンプル。
まあ文明開化なのはたしかにテンション上がりづらいか…テックツリーをメインに据えるとポップなテーマにはしづらいのかな…
ゲームは面白いので複数回遊んでも楽しそうでしたが、テーマを重要視する人には刺さりづらいかも。
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