アベカエサル (Ave Caesar)

ボードゲーム

ゲームマーケット2023秋の数寄ゲームズさんの目玉商品のひとつである「アベカエサル」のサンプルを遊ばせていただけたので紹介させていただきます!

この記事は数寄ゲームズさんの依頼のもと作成したPR記事です。

どんなゲーム?

人数2〜6人
時間30分
年齢12歳以上
デザイナーWolfgan Riedesser
出版年2022年(オリジナルは1989年)
ドイツ

プレイヤーはローマ最高の騎手になるべく、チャリオットレースに参加して優勝を目指します。
レースには皇帝(カエサル)も観覧に来ているということなので、おそらくローマ最高峰のレースなのでは…?

基本的なルールはカードに書かれた数値分だけ駒を進めて3周する速さを競うだけのとてもシンプルなレースゲームですが、意地悪なルールがちらほらと作られていることでワイワイ遊べるゲームになっています。

ちなみに、オリジナルがラベンスバーガーから1989年に出版されたあと、2004年にメビウスゲームズから「キュージェット (Q-Jet)」としてリメイクされ、2006年には新版が発売されています。
そこからさらに今回のDiceTree Games版発売、という流れなのでどれほど愛されたゲームなのかがわかりますね。
数寄ゲームズさんがおっしゃっているように古典的名作と位置付けるにふさわしいゲームだと思います。

ルール

セットアップ

コースを選ぶ

両面ボードが3枚あり、左側と右側それぞれ3パターンあるため、組み合わせで8種類のコースを作ることができます。(表が左用、裏が右用のボードが1枚あるため、3×3−1通り)

組み合わせは競技場カードでランダムで決めますが、初回は難易度の感覚を知るためにも推奨コースがよさそうです。

スタート位置を決める

自分のプレイヤーカラーの移動カードをよく混ぜ、上から1枚引きます。数字が最大になった人をスタートプレイヤーとして、そこから時計回りにI〜VIのマスにチャリオット駒を配置します。

チャリオット駒は精巧にできていて雰囲気出てます。

準備ができたら再度山札を作り直し、3枚引いて手札としてゲーム開始です。

プレイ手順

プレイはとても簡単で、手番順に手札から移動カードを1枚出して、書かれた数値だけ駒を進めて手札を補充するだけ。もちろん進むにあたって制約はありますが、とても単純です。

◆進むときのルール

選択ルールで変えられる部分もありますが、とりあえず基本ルールをご紹介。
ご購入された際はルールブックの挿絵を見ていただくと、わかりやすいと思います。

先頭にいるときは「6」のカードを出せない

原則、自分が先頭を走っているときや前列からスタートするときは移動カードの最大値である「6」を使うことはできません。もし先頭プレイヤーの手札が「6」しかない場合は誰かに抜かれるまでパスとなります。
このルールによってトップが独走しすぎないよう少し調整されています。

(例外として、先頭プレイヤー全員の手札に「6」しかなく、そのプレイヤーが動かないと後続が進めない場合は出すことができます)

他のプレイヤーを飛び越えることはできない

他のプレイヤーのチャリオットがいるマスを飛び越えることはできません。もし1車線の道に他プレイヤーの駒がある場合、そのプレイヤーが動くまで通過することができなくなります。

茶チャリオットに塞がれて進めない…!そんな時はパスになります。
車線を変更する場合は斜め前に動く

車線を変えるために真横のマスに動くことはできません。また、壁を越えることもできません。

可能な限り移動カードを出して、数値通りに進める

自分の手番で移動カードは出せる限り出さなくてはいけません。
つまり、アウトコースを走ることになってしまうとしても、出せるのであれば出さなくてはならないのです。

移動カードを手札から出したとき、書かれている数字と同じだけチャリオット駒を動かす必要もあります。どのカードを出しても動かせない場合はカードを出さずにパスをします。

レースの終了・勝利条件

移動カードがなくなる前にコースを3周する

移動カードがなくなる前にコースを3周するとゴールです。ゴールが早かったプレイヤーほど多くの勝利点を得ることができます。

移動カードがなくなっても3周できていない場合はリタイアとなり、勝利点は得られません。
コースごとに1周の長さやインコース・アウトコースの差が異なっているため、難易度の高いコースほどリタイアの可能性が高まります。

皇帝に敬礼をする

レース中、2周目が終わるまでに皇帝観覧席の前で1度は止まらなくてはなりません。
もし皇帝観覧席に止まらずに3周目に突入した場合はリタイアとなり、勝利点を得られません。(ただしリタイア以降もレースには参加して順位に入ることはできます)

だいぶ遠いですが皇帝ちゃんといるので挨拶は必須。挨拶の証にコイン置いておきます。

4レースの結果で優勝者を決定する

コースを変えて4レース行った合計得点を競うのが公式ルールですが、2〜3レースで決めるのも選択ルールとして用意されています。
レース数はメンバーの雰囲気を見て決定し、バリアントルールを入れたりしながら複数レースを戦うのが良さそうです。

おすすめバリアントルール

なんとこのゲームには5つの選択ルールと7つのバリアントルールが用意されています。
いくつかプレイしてみた中で、人数に関係なく取り入れられて面白かったルールを2つご紹介。

バリアントルール:体当たり

数寄ゲームズさんの配信でも注目ポイントとして挙げられていたルールですが、個人的には直接攻撃が許される環境であれば必須では…?と思ってます
そのくらいお気に入り。

追加するルールは移動後に他のチャリオットと隣り合ったとき、そのチャリオットに攻撃を仕掛けられるというもの。

隣り合ったら開戦の合図です

2人のプレイヤーは手札から大きい数字の移動カード1枚を見せ合い、大きい数を公開できたほうが勝利。(同値の場合は決着がつくまで残りのカードを見せ合います)
勝ったプレイヤーはチャリオット駒を1マス進めて、負けた方は1マス戻されます。

この1歩が大きいのよ…!
勝利したプレイヤーは1点の価値があるモーニングスターももらえます。

攻撃のチャンスは常に後ろから追いかける側にあるので遅れているプレイヤーに差を埋めるチャンスができ、後ろに追いつかれた時のことを考えて移動カードの使い方に程よい緊張感が生まれるところがいいんです。
ゲームのヒリヒリ感はなんぼあってもいいですからね。

バリアントルール:スピード調整

追加の移動カードを組み込んで、デッキの配分を変えることができるバリアントルールです。
通常は1〜6の移動カードが4枚ずつで構成されているのですが、追加の5、6を組み込むことでより攻撃的なデッキにすることが可能になります!

強力な移動カードを新たに組み込むか…?

具体的には以下の2パターンが作れるようになり、通常を含めて3パターンから選択できます。
・高速デッキ(【IN】6×1枚 / 【OUT】1〜3×1枚ずつ)
・超高速デッキ(【IN】5×1枚, 6×2枚 / 【OUT】1×3枚, 2〜3×2枚, 4×1枚)

移動カードの数値の合計は変わらないのですが、1枚あたり進める歩数が増えるのでチャリオットを高速化させることができます。小回りが効かなくなるデメリットを乗りこなせるかが勝負…!

競技場や手番順を見て、どのデッキが1番戦いやすそうか戦略を練る時間が楽しいのでおすすめ

プレイ人数ごとの違い

いつもは夫婦2人で遊んだ内容を中心に書いていますが、今回のゲームは多人数向けとのことなので友人と4人、5人プレイもしっかり遊んでみました!

5人プレイ

執筆時点のBGGベストは5〜6人ですが、まさにその通り。
レースゲームなので人数が多い方が白熱します!

バリアントルールは5人以下なら6人になるまでNPCを加えるよう勧めていますが、個人的には5人のままでも十分楽しいと思います。
お好みでバリアントルールのグラディエーターチームを加えてください。

プレイの雰囲気

5人もいると、入ろうと思っていたところに人が!
全員が嫌らしいポジションに入ろうとするので小さい数字の小回りが大事になってきます。

人数が多いと体当たりチャンスも増えますね。全プレイヤーが体当たりを常に意識するので、危険と隣り合わせです。
安全に行こうとしすぎて6を多く抱えていたプレイヤーが、手札が全て6だったり進路を塞がれたりで4連パスなんて場面も。

黒のプレイヤーが3位になっても6を使えずに悶えている状況。

別のレースでは「戦術的になる」と書かれていた”山札は4つ、手札は2枚”&”スピード調整”のバリアントの組み合わせでも遊んでみました。
ゲーマーだけの集まりだったので遠慮なくルール追加していきます。

ざっくり説明:バリアントルール”山札は4つ、手札は2枚”
移動カードをよく混ぜて1枚ずつ引き、4つの山札に分けていきます。
全てのカードを割り振った状態でレースを開始します。(山札の確認は禁止)
好きな山札から2枚引き、最初の手札とします。手札を補充する際は好きな山札から補充します。
1と2/3と4/5/6の4つの山札に分けてみました。もちろん順番なんて覚えられていません。

6を1枚追加する高速デッキにカスタマイズして、カードを4つの山札に分けます。
これでどの順番でカードが出てくるかわかる状態ですね。覚えていればですが。

最終局面。私(青)は嘘のような差をつけられてます。

戦術的なゲームとだけあって、ちゃんと考えてプレイできていた人が順当に勝ってました。
どこでこんなに差がついてしまっただろう…

1位の方は4番手から超高速デッキをうまく回して勝っていたのですが、肉薄していた2位の方は高速デッキだったので、意外にも手番・デッキ間のバランスは取れていそうです。

4人プレイ

ルールの変更ポイント

4人でプレイするにあたってはグラディエーターチーム(NPC)を追加することができます。
駒が少ないことで制約なく動けてしまうと盛り上がりが薄れる原因になるので、4人で遊ぶのであれば必須ルールと言っても過言ではないと思います。

グラディエーターチームは最初の一歩だけカードを使ってランダムにしますが、それ以降はトップなら2マス、最下位なら6マス、それ以外は4マス進めるだけなので手間はあまりかかりません。
イン・アウトの分岐は最後手番のプレイヤーが自分の有利になるよう進められるので、手番順の不利が少しだけ補正されます。

いぺ
いぺ

試しにバリアントを入れずに基本ルールだけで遊んでみましたが、4人では物足りなさを感じてしまいました…

4人で遊ぶのであればグラディエーターチーム入れましょう。意外といい仕事しますよ。

プレイの雰囲気

やはり5〜6台のチャリオットがいる盤面に比べると寂しいですね…
「これは何か調整欲しいなあ」とか言いながら遊んでます。

ならばとグラディエーターチーム参戦!

青と茶のチャリオットがNPCとして動かされていますが、急にめちゃくちゃ狭い。
隙間を縫って進んでいる感覚が強くなります。

4人プレイだと1人だけ後列スタートになってしまうので、「NPCの動かし方を決める」という強い権限をプレゼントされるのもいいですね。
手番順の不満が少し和らいだ気がします。

2人プレイ

BGGで評価を見るとベストは5〜6人で、少人数プレイの評価は低め。確かにレースゲームなので大人数でわちゃわちゃするのが醍醐味だとは思います。
とはいえ、面白そうだから大人数で遊ぶとき用に欲しいけど、そんなチャンスほとんどないかも…というゲームを「2人でも楽しめるなら買うのに…!」という場面ありますよね?

そんな方のために2人プレイの感想もご報告。実はけっこう楽しいです。

ルールの変更ポイント

2人でプレイする場合はバリアントルール”2〜3人用チームモード”を適用します。
下記ルールではなくNPCを4人足すという荒技もできますが…まあやめておきましょう。

ざっくり説明:バリアントルール”2〜3人用チームモード”
1人で3色担当して、各色2枚ずつ手札として持ちます。
担当するチャリオット3台を1台ずつ好きな順番で移動させていき、チームとしての総合得点を競います。
※3人プレイにも適用可。3人で遊ぶ場合は2色ずつ担当します。
プレイの雰囲気

私(地味色チーム) vs. えり(三原色チーム)で対戦です。お気に入りの”体当たり”は当然採用。
先攻のえりチームは前列、私のチームは全員後列です。

私のチーム全員後ろなんですか…?

6台のチャリオットがいますが、3vs3のチーム戦なので組織的に動けるのが魅力。
体当たりのために横につけられないよう横並びにしてみたり、余裕があるチャリオットをあえて2度目の皇帝観覧席に突入させて妨害してみたりと個人戦にはない戦略が出てきます。

先頭チームがこの布陣したら完璧じゃないですか…

このほかに、私の決死の体当たりがしっかり6の移動カード持っていて返り討ちにあったりと、えりさんの戦略が見事に決まって私のボロ負けでした。
前列の強みを抜かりなく活用されてやられましたね…

バリアントルール”スピード調整”で全駒違うデッキにして戦ってみたり、ハウスルールでスタート位置を公平にしてみたり、楽しみ方を変えてみるのもいい感じです。

夫婦2人+αで遊んでみた感想

いぺの場合

いぺ
いぺ

インストとプレイが30分以内に終わる手軽さ5〜6人ベストボードと駒で遊ぶ、この3点が揃うゲームというだけでも価値があると思います。

基本がシンプルだからこそ、メンバーの技量に合わせて調整を効かせやすいのも好評価。

ぜひ自分好みの選択ルール・バリアントルールの組み合わせを見つけてみてください!

ボードゲームを5〜6人で遊ぶとなると急激に選択肢が減ってくるんですよね…
もちろん大人数に対応するだけであれば他にもいいゲームはありますが、インストが簡単にできて、カードゲームではないものがいい、という場面で出す選択肢になるのが魅力的。

手札は3枚だけなので運要素や噛み合いが勝敗に影響するゲームですが、だからこそ戦略性とパーティー感がちょうどいい塩梅の古き良きゲームだと感じました。

“体当たり”を採用しなければ直接的な攻撃はないので初心者でも遊べそうなゲームではありますが、進路を塞ぐことで妨害ゴールできなければリタイアという点がゲーム慣れしていない人には厳しいかもしれません。
なので、一緒に遊ぶメンバーによってはインコース・アウトコースの差の説明を強調したり、移動カードを出すことを強制にしないなどのハウスルールを考えると遊びやすそうに感じました。

遊ぶ環境に応じて細かなルール調整ができる懐の広さも長く親しまれている要因かもしれません

えりの場合

えり
えり

2人プレイだと6のカードの出すタイミングとか戦略を立てる楽しみがあったな〜
意外と2人プレイの方が楽しかったかも…

2人でもプレイしてみてほしい!!

2、4、5人と条件を変えてプレイに付き合ってもらってましたが、意外にも2人プレイが一番楽しかったとのこと。
たしかに2人プレイだと自分のチーム全体を使った協力プレイも可能になるので、戦略的に戦っている感覚が強くなる印象を受けました。
BGGの評価に3人ベストの票がうっすらとあるのは、バリアントルール込みの評価だと勝手に思ってます。

多人数向けと思われているゲームでも、意外と2人プレイにするとパーティー感が薄れて好みのプレイ感になったりするのはボードゲームあるあるかもしれないですね。
多くの方にとっては大人数で遊ぶことを視野に入れて買うゲームだと思いますが、2〜3人でも意外と楽しいですよ!

購入情報

ゲームマーケット2023秋で数寄ゲームズさんのブース(両日ニ10)にて先行販売です!
ゲムマ販売分にはほぼ定価のまま特殊サイズスリーブが付属するとのことなので、スリーブ派の方は要チェックです。

ちなみにどれくらい特殊なのかと思いBGGをチェックしましたが、市販品では1種類しか選択肢がないくらいには特殊です。
その1種類も日本では見慣れないスワンパナシア社製のため、後で買い足そうものならおそらく輸入になりそう。

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後日通販でも購入できるようになるとのことですが、その場合はスリーブ代は別途かかるとのことなので、ゲムマで買える方は「アベカエサル」をお見逃しなく…!

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